スマートウォッチは健康管理や日常の利便性を大きく向上させる便利なデバイスです。特に中国製のスマートウォッチは手頃な価格と豊富な機能で多くの人に選ばれています。
しかし、その一方で「中国製スマートウォッチは危険」という声を聞いたことはありませんか?
実際にどのようなリスクがあるのか、具体的に何に気をつければいいのか。この記事では、中国国家安全部が公式に発表した警告をもとに、中国製スマートウォッチにまつわる危険性と、安全に使い続けるための対策をわかりやすく解説します。
中国製スマートウォッチに本当に危険性はあるのか
結論から言うと、中国の国家機関である国家安全部は2025年、スマートウェアラブルデバイスに関する公式警告を発表しました。これは「中国製スマートウォッチ=すべて危険」という意味ではなく、技術的な脆弱性が存在することを公式に認め、注意を呼びかけたものとして受け止めるべきでしょう。
中国国家安全部は特に「涉密場所(機密施設)」での使用を禁止するよう指導しており、一般利用者であっても一定のリスク認識を持つことが推奨されています。
中国国家安全部が指摘する4つの主要リスク
中国国家安全部の公式発表では、スマートウェアラブルデバイスに関して以下の4つのリスクが具体的に挙げられています。いずれも個人情報の流出やプライバシー侵害につながる可能性があるため、しっかり理解しておきましょう。
1. 個人データの収集とプロファイリングリスク
スマートウォッチは心拍数、歩数、睡眠データといった健康情報に加え、指紋認証や顔認証データ、さらには位置情報や行動履歴まで取得します。
これらのデータが組み合わされることで、個人の精密なプロファイリング(人物像の作成)が可能になると指摘されています。つまり、あなたの健康状態、生活リズム、よく行く場所までがデータとして蓄積され、それが何らかの形で漏洩したり悪用されたりするリスクがあるのです。
2. クラウド同期に伴うデータ漏洩リスク
多くのスマートウォッチはスマートフォンアプリと連携し、取得したデータをクラウド上に保存します。このとき、クラウドサーバーがサイバー攻撃を受ければ、あなたの健康データや位置情報が一度に大量流出する可能性があります。
また、ユーザーアカウント自体が不正に侵入されるリスクも無視できません。中国国家安全部は、クラウドベンダーのシステム脆弱性やアカウント管理の甘さが情報漏洩の原因になると注意を促しています。
3. OSやアプリの脆弱性によるマルウェアリスク
中国製スマートウォッチの中には、セキュリティが十分に考慮されていないOSを搭載しているものもあります。公式アプリストア以外からアプリをインストールできるタイプでは特に注意が必要です。
脆弱性を突かれてマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を仕込まれた場合、以下のような被害が考えられます。
- 位置情報や個人データの収集
- マイクやカメラの遠隔操作
- デバイス自体の乗っ取り
特にサードパーティ製アプリが過剰な権限を要求してくる場合は、警戒したほうがよいでしょう。
4. BluetoothやWi-Fi経由のデータ抜き取りリスク
スマートウォッチはBluetoothやWi-Fiを使ってスマートフォンや他の機器と接続します。この通信経路自体が脆弱な場合、データが傍受される可能性があります。
中国国家安全部は特に「アドホックネットワーク」機能に言及し、物理的に隔離されたネットワーク環境であっても、この機能を悪用されると情報が外部に漏れる危険性を指摘しています。つまり、企業の会議室や研究施設など、本来外部と遮断されているはずの場所でも情報が抜き取られる恐れがあるのです。
海外通販(海淘)で購入する際の物理的リスク
ここまで主にソフトウェアやネットワーク面でのリスクを説明してきましたが、中国国家安全部はさらに深刻な警告を発しています。それは、越境EC(いわゆる「海淘」)で購入したスマートウォッチに関するものです。
なんと、ごく一部の事例ではありますが、微小な盗聴器や盗撮カメラが物理的に本体に埋め込まれているケースが確認されています。
ユーザーが気づかないうちに位置情報、会話内容、顔データなどが収集され、個人のプライバシーだけでなく、場合によっては国家安全保障にまで影響を及ぼす可能性があるとされています。
これは特に、ビジネス上の機密情報を扱う人や、特定の施設に出入りする人が注意すべきリスクといえるでしょう。
中国製スマートウォッチの危険性を踏まえた安全な使い方
ここまでリスクを挙げると「もう使うのをやめよう」と思う人もいるかもしれません。しかし、適切な対策を取ればリスクを大幅に軽減できます。中国国家安全部の発表でも、完全な使用禁止ではなく、以下のような対策が推奨されています。
プライバシー設定を見直す
まずできるのは、スマートウォッチと連携するアプリのプライバシー設定を確認することです。
- 位置情報の取得をオフにする(必要な時だけオンにする)
- マイクやカメラの権限を必要最小限にする
- 連絡先やカレンダーといった個人データへのアクセスを制限する
これらの設定はアプリごとに細かく調整できるはずです。面倒に感じるかもしれませんが、最初にしっかり設定しておくだけでリスクは大きく下がります。
アプリのインストール元を限定する
スマートウォッチにアプリをインストールする場合、必ず公式のアプリストアを利用しましょう。インターネット上で見つけた「便利そうなアプリ」が、実はマルウェアだったというケースも報告されています。
特に中国製デバイスの場合、公式ストアであっても審査が緩いことがあるため、不審なアプリはインストールしないという基本姿勢が重要です。
定期的なファームウェアアップデートを実施する
デバイスのOSやファームウェアを最新の状態に保つことも効果的です。アップデートにはセキュリティホールを修正するパッチが含まれていることが多いため、放置せずにこまめに更新しましょう。
自動更新が有効になっているか確認し、更新通知が来たらすぐに対応する習慣をつけてください。
購入時の注意点
これから新しくスマートウォッチを購入する場合は、以下の点に注意しましょう。
- できるだけ信頼できる販売ルート(正規代理店や大手ECサイトの公式ストアなど)を選ぶ
- あまりにも安価な商品や、出所が不明な海外通販サイトでの購入は避ける
- 開封時に明らかな外装の違和感や、説明書と実物の仕様が異なる場合は使用を控える
特に「海淘」で購入する場合は、物理的な改ざんリスクがあることを頭に入れておくべきでしょう。
中国製スマートウォッチの危険性に関するよくある疑問
Q. 設定を変えればデータは中国に送られない?
端的に言えば、設定を変えることで送信されるデータを減らすことは可能ですが、完全にゼロにはできないと考えたほうが安全です。位置情報や健康データのクラウド同期をオフにすれば、送信される情報は減ります。ただし、デバイスの基本動作に必要なデータ(時刻同期やファームウェアアップデートなど)はどうしても通信が発生します。
Q. 大手ブランド(XiaomiやHuaweiなど)でも同じリスクがある?
中国国家安全部の警告は特定のブランドを名指ししているわけではなく、スマートウェアラブル全般を対象としています。ただし、一般的に言えば、大手ブランドはセキュリティ対策に比較的リソースを割いている傾向があります。とはいえ、あくまで傾向の話であり、ブランドだけで安全性を判断するのは危険です。
Q. 一般家庭で使う分には問題ない?
日常生活での使用において、大規模なデータ漏洩に巻き込まれる確率は決して高いとは言えません。しかし、だからこそリスクを軽視してしまうと、知らないうちに個人情報が流出している可能性もあります。
特に健康データは保険や雇用などに悪用されるリスクも指摘されており、あなたが気にしなくても、そのデータがどのように使われるかは予測できません。「一般家庭だから大丈夫」とは言い切れないでしょう。
Q. 現在使っている中国製スマートウォッチはすぐに捨てるべき?
すぐに捨てる必要はありません。まずはこの記事で紹介したプライバシー設定の見直しや、不要なアプリの削除などの対策を講じてみてください。それでも不安が残る場合や、特に機密性の高い情報を扱う環境で使用している場合は、代替製品への買い替えを検討してもよいでしょう。
中国製スマートウォッチのリスクとどう向き合うか
中国国家安全部が公式に警告を出したという事実は、中国製スマートウォッチの危険性を考えるうえで非常に重要な判断材料になります。ここで挙げたリスクは、特定のブランドや機種に限った話ではなく、スマートウェアラブルデバイス全般に共通する課題でもあります。
重要なのは、リスクを過度に恐れることではなく、正しく理解したうえで、自分に合った対策を取ることです。この記事で紹介した対策を実践するだけでも、セキュリティレベルは格段に向上するはずです。
もし現在のデバイスの安全性にどうしても不安を感じる場合や、仕事や生活の内容によっては、リスクを避けるために思い切って別の製品を検討するのもひとつの選択肢です。その際には、セキュリティポリシーが明確に公開されているメーカーや、データの保存先が明確な製品を選ぶようにしましょう。
最終的には、あなた自身がリスクをどう評価し、どの程度の対策を講じるかが問われています。便利さと安全性のバランスを考えたうえで、納得のいく選択をしてください。

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