Fitbit心電図アプリとは?どんな機能なのか
Fitbit心電図アプリは、スマートウォッチやフィットネストラッカーを使って心房細動(AFib)の有無をチェックするためのアプリです。正式には「Fitbit ECG アプリ」と呼ばれ、ソフトウェア単体のモバイル医療アプリケーションとして位置づけられています。
簡単に言うと、デバイスに搭載されたセンサーを使って30秒間の心電図を記録し、その波形を分析することで心臓のリズムが正常かどうかを分類してくれる仕組みです。
このアプリの大きな特徴は、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得ている点です。FDA認証番号K200948として登録されており、医療機器としての信頼性が確認されています。具体的には、心房細動を検出する感度が98.7%、特異度が100%というアルゴリズムの精度を持っていると公式発表されています。
ただし、ここでひとつ重要な注意点があります。このアプリはあくまで心房細動の「チェック」を目的とした補助ツールであり、病気の「診断」を下すためのものではありません。測定結果は医師の診断を代替するものではなく、あくまで医師と情報を共有するための材料として使うことが想定されています。
対応しているFitbit機種は?
心電図アプリが使えるFitbitデバイスは、現時点で以下の機種に限られています。
Fitbit Sense
Fitbit Sense 2
Fitbit Charge 5
これらの機種には、心電図測定に必要な電極がデバイスに搭載されています。具体的には、デバイスの底面にあるセンサーと、側面(フレーム部分)に配置された電極を使って測定を行います。
一方、Fitbit Versaシリーズ(Versa 2以前のモデル)や、Charge 4以前のモデルは心電図アプリに対応していません。お持ちのデバイスが対応しているかどうかは、Fitbitアプリを開いて「心電図」の項目が表示されるかどうかでも確認できます。
心電図アプリの使い方|実際の手順
ここからは、実際にFitbit心電図アプリを使う手順を説明します。初めて使う人でも迷わないように、できるだけシンプルにまとめました。
Fitbitアプリからインストールする
まずはスマートフォンのFitbitアプリを開きます。アプリ内の「アプリギャラリー」または「デバイス」のメニューから心電図アプリを探してインストールします。アプリは無料でダウンロードできます。
デバイスで心電図測定を開始する
インストールが完了したら、Fitbitデバイス側で心電図アプリを開きます。画面上の指示に従って測定を開始します。
測定の際は、デバイスの底面が肌にしっかり接触していることを確認し、人差し指と親指でデバイスの側面(フレーム部分)を軽く挟むように持ちます。このとき、指は金属部分にしっかり触れさせてください。
30秒間の測定
準備ができたら、画面に表示されるスタートボタンをタップします。測定時間は約30秒間です。この間はできるだけ動かず、リラックスした状態を保つことが大切です。話をしたり、体を動かしたりすると正しく測定できないことがあります。
測定結果を確認する
測定が完了すると、デバイスの画面に結果が表示されます。結果は次の3つのいずれかに分類されます。
洞調律…心臓のリズムが正常であることを示します。心電図の波形に異常が認められなかったという意味です。
心房細動(AFib)…心房細動の可能性が示唆される波形が検出されました。この結果が出た場合は、パニックにならずに医師に相談することをおすすめします。アプリでは結果をPDFとして保存し、医師と共有することもできます。
判定不能…測定がうまくいかなかったか、解析ができなかった場合に表示されます。判定不能となる主な理由は、心拍数が50bpm未満または120bpmを超えている場合、または測定中に雑音(アーティファクト)が入った場合です。
結果を医師と共有する
測定結果はFitbitアプリ内で履歴として保存され、PDF形式でエクスポートすることができます。このPDFを印刷するか、そのまま医療機関に持参して医師に見せることが可能です。医師の診断を受ける際の補助資料として活用しましょう。
心電図アプリの仕組み|どうやって心房細動を検出するのか
Fitbit心電図アプリは、単一誘導心電図という方式で心臓の電気信号を記録します。これは、病院で行う12誘導心電図とは異なり、より簡易的な測定方法です。
測定時には、デバイスの底面にあるセンサーと側面の電極を使って、体の一部(左手と右手に相当する経路)を通る電気信号を検出します。この信号をもとに、心臓の拍動のタイミングやリズムを分析する仕組みです。
心房細動とは、心臓の上室(心房)が異常なリズムでけいれんするように収縮する状態を指します。この状態が続くと、血液が心房内に滞留し、血栓ができやすくなるリスクがあります。血栓が脳に飛ぶと脳梗塞の原因になることもあるため、早期発見が重要とされています。
Fitbitのアルゴリズムは、こうした心房細動特有の不規則なリズムパターンを検出するように設計されています。先述の通り、感度98.7%・特異度100%という数値は、このアルゴリズムが心房細動の検出において非常に高い精度を持つことを示しています。
ただし、これらの数値は臨床試験における結果であり、実際の使用環境では異なる結果が出る可能性もあります。また、このアプリは心房細動以外の不整脈(期外収縮や心房粗動など)を検出するようには設計されていません。
アプリを使う際の年齢制限と使用条件
Fitbit心電図アプリには、はっきりとした年齢制限が設けられています。公式の医師向けマニュアルによると、このアプリは22歳未満の使用を意図していません。
これは、若年層では心房細動が発生する頻度が極めて低いことや、心電図の波形が成人とは異なる特徴を持つことが理由と考えられます。22歳未満の方は、このアプリの対象外であることを理解しておきましょう。
また、心臓疾患の既往歴がある方や、既に不整脈で治療中の方も、このアプリの結果を自己判断の材料にすることは避けるべきです。あくまで健康な方の心房細動スクリーニングを目的としたツールであることを認識しておく必要があります。
対応している国・地域について
Fitbit心電図アプリは、すべての国や地域で利用できるわけではありません。各国の規制当局による承認が必要なためです。
FDA(米国)での承認を皮切りに、EU各国、イギリス、カナダ、オーストラリアなどで利用可能になっています。日本に関しては、本記事の確認時点(2026年6月)において、日本国内の医療機器としての正式な承認有無を断定できる公式情報は確認できていません。
そのため、日本在住の方がこのアプリを利用する場合には、以下の点に注意してください。
- 日本の法令上、このアプリがどのような位置づけになるかは、利用者自身が確認する必要があります
- 測定結果を日本国内の医療機関でどのように扱われるかは、各医療機関の判断によります
- アプリ自体はFitbitアプリギャラリーからダウンロードできる場合がありますが、利用可能かどうかは地域設定に依存します
もしアプリが使えないと感じた場合は、まずFitbitアプリの地域設定を確認し、最新の対応状況を公式サイトでチェックしてみてください。
よくある質問とトラブルシューティング
心電図アプリがデバイスに見つかりません
対応機種をお使いであれば、Fitbitアプリのアプリギャラリーからインストールできます。それでも表示されない場合は、地域制限がかかっている可能性があります。また、デバイスのファームウェアが最新でないとアプリが表示されないこともあるので、まずはアップデートを確認してみてください。
測定中に「指をしっかり当ててください」と表示される
これは非常に頻繁に起こるメッセージです。デバイスの側面にある金属部分と指がしっかり接触していない場合に表示されます。指の位置を少しずらしたり、指先を少し湿らせたりすると接触が改善されることがあります。また、デバイスの背面が肌から浮いていないかも確認しましょう。
「判定不能」が続く場合はどうすればいい?
判定不能の原因として、心拍数が極端に低い(50bpm未満)または高い(120bpm超)場合が考えられます。安静時の心拍数がこれらの範囲にある方は、測定タイミングを変えてみてください。たとえば、朝起きた直後や、激しい運動の後ではなくリラックスしている時間帯に測ると改善する可能性があります。
また、測定中に体を動かしたり、話をしたりするとノイズが入りやすくなります。測定中は静かにじっとしていることを意識しましょう。
心房細動の結果が出たけど、どうすればいい?
まずは慌てないでください。このアプリは診断ツールではないため、結果はあくまで「可能性」を示すものです。実際に心房細動かどうかは、医療機関で正式な検査を受ける必要があります。
測定結果をPDFで保存し、かかりつけの医師や循環器内科を受診することをおすすめします。その際に、いつどのような状況で測定したか、自覚症状(動悸や息切れなど)があるかどうかを伝えると、医師の診断の参考になります。
バッテリー消費は気になる?
心電図アプリ自体は測定時だけしか動作しないため、日常的なバッテリー消費への影響はほとんどありません。ただし、アプリをバックグラウンドで常時監視するわけではないので、バッテリーを気にせずに使えます。
競合サービスとの比較|Apple Watchとの違いは?
同じく心電図機能を搭載している代表的なデバイスとして、Apple Watch(Series 4以降)があります。FitbitとApple Watchは、どちらも心房細動を検出できる点では共通しています。
大きな違いは、エコシステムの違いです。Apple WatchはiPhoneユーザー向けに最適化されており、iOSとの連携がスムーズです。一方、FitbitはAndroidユーザーも含めて幅広いスマートフォンに対応しています。
また、日本の医療機器としての承認状況は、両者で異なる可能性がある点も覚えておくとよいでしょう。Apple Watchの心電図アプリは日本国内で医療機器として承認されていますが、Fitbitの心電図アプリについては、本記事執筆時点で日本における医療機器承認の有無を断定する情報は確認できていません。
どちらを選ぶかは、お使いのスマートフォンや、デバイスに求める機能の優先順位によって変わってくるでしょう。
まとめ|Fitbit心電図アプリを正しく使うために
Fitbit心電図アプリは、心房細動の早期発見をサポートする頼もしいツールです。正しく使えば、自分では気づきにくい心臓のリズム異常に気づくきっかけになります。
最後に、もう一度大事なポイントを確認しておきましょう。
- このアプリは診断ツールではなく、医師の診断を補助するためのものです
- 対応機種はFitbit Sense、Sense 2、Charge 5、Charge 6の4モデルです
- 22歳未満の使用は意図されていません
- 測定結果は「洞調律」「心房細動(AFib)」「判定不能」の3つに分類されます
- 心房細動の結果が出た場合は、慌てずに医療機関を受診しましょう
- 日本での医療機器としての承認有無は、現時点では断定できないため、利用前に自身で確認する必要があります
気になる症状がある場合や、測定結果に不安を感じた場合は、このアプリの結果を参考にしながら、必ず医師に相談するようにしてください。自分の体のことを知る第一歩として、Fitbit心電図アプリを上手に活用してみてはいかがでしょうか。

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